2601 広島大ビラ検閲事件

 2月4日に企画していた当会主催の学習会“Study session on the issue of tuition hikes at Hiroshima University”のビラ掲載を広島大学当局に不当に拒否されるという事態が発生した。

 広島大学には、当局に団体結成届を提出している学生団体が、学生向けホームページ「もみじ」に団体主催のビラやお知らせの投稿を申請できるというシステムがある。注意事項に「投稿していただいた記事の全てを掲載できるとは限りません」という実質的な「検閲宣言」はあるが、当会が過去に申請してきた学習会や講演会の告知ビラ掲載は難なく通っていた状況だった。

 しかし、今回の学習会の告知申請について、当局は「⑴送付元が『思想文化ゼミナール』としかなっておらず責任者が不明なため、本当に当該団体から依頼されているか不明なため、掲載はできません。⑵大学の掲示板は中立性を求められます。特定の主張を広める場としては利用できません。」という理由からホームページへのビラ告知掲載を拒否してきた。 ⑴については、今までも掲載依頼メールの署名は「思想文化ゼミナール」で統一しており、一度も問題にされたことはなかったものだった。当会は当局の指定の通り団体結成届を提出しており、今までも同じメールアドレスで何度もやり取りをしていることから当局は当会の存在を把握していないというのは無理がある主張だ。また、⑵に関しては、明らかな言論弾圧である。今回の学習会は、「広島大学学費値上げ阻止緊急アクション」との共催で、近年の学費値上げ問題やそれに対する抗議活動の様子について学習し議論をするという内容で、「特定の主張」を喧伝しているというわけではない。このような学習会を「中立でないからふさわしくない」とするのは、今後さまざまな学習や研究をも阻害するという宣言に他ならない。大学という、多様な言論が許容されてこそ成り立つ研究機関において、言論統制をかけていくようなことが許されていいはずがない。また、思想や文化は程度の差はあれど「偏って」いるものであり、それを十分に自覚して判断していくことが求められる。当局が「中立であるか」「ふさわしいか」を判断できるものではないし、そのように一方的に断じることこそ当局の「思想性」が現れている「中立ではない」ものである。かつて滝川事件や森戸事件においては大学における研究が「無政府主義的」「反体制的」だと弾圧された。今回の大学当局の対応はこのような戦前の思想言論弾圧を想起させるものであり、学問の自由を侵害するものだ。特に森戸事件の被弾圧者・森戸辰夫は初代広島大学学長であり、「森戸国際高等教育学院」という機関が存在するなど今も広島大学に息づいている。当会は、思想文化を広く探究していく立場として今回の広島大学当局の対応に強く抗議する。

(広島大学思想文化ゼミナール)