はじめに
本稿は、山口大学学費値上げに反対する有志の会※1、広大大学学費値上げ阻止緊急アクション、九州大学学費問題を考える会の3グループが呼びかけとなって山口大学吉田キャンパスで2025年10月22日12時~13時頃に開催された「山大・広大・九大合同学費値上げ反対集会(以下、反対集会)」の取材記事である。
山口大学当局は、学生や教職員に事前に告知・相談することもなく、2025年9月25日に授業料値上げに関する文書を公開しており※2、学内で反発を招いている。日本国内の国立大学の学費値上げの試みは山口大学が初発ではなく、東京大学を始め、複数校で決定・検討されている※3。学費値上げは学生(あるいは、その保護者)の財を蝕むとともに、政府の予算=裁量が増大するため、リバタリアンにとって由々しき事態である。
上記の集会に、京都大学から参加したAさんに取材に成功したので、以下ではAさんの思いを掲載する。
なお、〔 〕は当協会による。
※1
(山口大学学費値上げに反対する有志の会のXアカウント https://x.com/yamadaigakuhi )
※2
「令和8年4月以降の授業料改定決定のお知らせ」 https://www.yamaguchi-u.ac.jp/news/45112/index.html 山口大学ホームページより
なお、学費値上げは2026年4月以降に入学する者を対象としており、在学生は据え置きとなる。
※3
「リバタリアン」第14号にて「取材:学費値上げ反対院内集会」を掲載した。
Q当日の様子はどうでしたか?
自分〔=A〕がついたのが、1限と2限の間。そのときちょうど、弾圧職員※4と〔学生らが〕建物の中で対峙していて、課外活動に関するルールで弾圧していた。そもそも、〔集会は〕課外活動団体でもなければ新歓団体でもないということで、弾圧は終わった。その後、2限までに街宣とビラ撒きをした。
開催の10分ぐらい前からカフェテリア前FAVOでの集会のセッティングをした。準備中は、〔道行く人々から〕好機の目で見られていた。集会が始まったのが授業終わりの12時頃。そのときから建物の外に人がたくさんいて、テラス席の人たちが集会を見ていたので、ビラを撒いて集会を始め、山口大学の学生が開催宣言をした。そこから、教職員や各大学の学生がアジテーションをした。教職員は、教職員に対する説明の場がもたれていないと言っていた。学生は、学生自治の文脈を中心に、対話が全然されていないなどと話していた。主にプロセスの面や、学費値上げそのものに反対していた。自分が話したときは、自己責任論に惑わされないようにと、在学生は学費が上がらないという点について、分断に流されずにいこうと喋った。自分自身、学費投げに絶対反対の立場。
周囲の反応は、立ち止まって見ている人だけで40~50人。カフェテリア・屋内・テラス席・階段からも見ている人がいて、注目度は高かった。〔山口大学は〕運動の地盤がないので珍しさがあったと思う。聴衆はみんなまじめに聞いていて、ビラも読んでいた。集会を聞いている人に山口大学のことについて聞いたら、以前、学祭の飲酒規制が行われ、当局の対応が酷かったと返ってきた。山口大学はやはりそういう場所なのだと思った。集会の終わりに、人文学部の先生が飛び入りでデモ出発前に発言した。教職員に対する説明がない中で何十億のお金が動くことへの怒りが感じられた。理性的だが、怒りのこもった発言だった。その発言でまた人が集まった。
〔聴衆に〕デモに参加するよう話しかけたら、飛び入りで多くの人が参加した。シュプレヒコールは慣れていないということもあって早くなったりしたが、概ねうまくいった。先頭集団の足が速く、デモ隊が分裂されていた。自分は真ん中でコールしていた。おそらく80人ぐらいいた。もっと後ろにいた人や、途中で授業のために離脱した人も相当数いたと思う。教職員もかなりいた。学長室前に到着し、採択した文書を提出しに行った。その時点で40人ぐらいがいて学長室に行き、しばらくしたら秘書のような人が出てきて、学長不在のため預かってもらった。記者がその瞬間の写真を撮って、終了した。その後、学長室が所在する建物の外にいた学生ら数十名に状況を説明した。これで集会全体が終了。終わってから4限と5限の間に、常盤キャンパスに行ったが、そこは反応がよくなかった。
※4
学生の諸行動に対して弾圧を加える大学職員のこと。京都大学では、大学職員による学生への弾圧が日本有数の苛烈さを呈していることもあり、「弾圧職員」の語彙は一般化しつつある。
Qなぜ参加しましたか?
コンセプトが近隣大学の連帯だったので、京都から行ってもいいと思った。西日本の大学では〔このような学費値上げに関する集会やデモは〕初だったので、京大も関係する問題だと思った。現場の人達のことを聞いて、もし京大で同じことが起きたときにどのように展開すべきかシミュレーションするために行った。現場の教職員・学生の声を聴きたかった。
Q参加して、どう思いましたか?
反応は良かった。集会も大成功だったと思うが、反応の良さは学生運動が身近な大学ではなかったからだと思う。今後継続的に運動をすることを考えると、反応は次第に悪くなりそう。なので、今のうちに運動をしていくべきだと思った。デモは10人~20人の参加者だと想定していたが、以外とうまくいった。ここ数年の学費値上げの闘争では一番の盛り上がりを見せたと思う。
Q今後の展望はありますか?方針はありますか
今回連帯した3大学と自分の在籍している京大は、一致できるところを共闘する枠組みができたし、学費値上げという広く共有できるポップな話題があるうちに、連帯を広げられたのは今後に活かせる点。
山口大学単体でいうと、今後運動をどう進めているのかは、大変だと思う。当局が反動的な側面があり、よく弾圧する大学ではないが、当日の弾圧や本部棟の扉の閉鎖等を見るに、山口大学での運動は困難を伴うと思う。現地の大学で輪を広げられるかにかかっている。
Q山口大学の学生へ
ここで学内を民主的な組織に変えていかないと、学費にかかわらず、学祭の規制強化、サークル規制等の問題に波及していく。決して新入生だけの問題ではない。学費だけに限らず、当局の行動に目を向けて大学生活をしてほしい。
以上、京大生Aさん。
(リバタリアン協会)
