2月15日、つくば市では、偶然にも同じ日に2つのリバタリアン活動が行われた。
1つ目は、12:30-13:00ごろに行われた「リバタリアン社会をめざす青年学生」のつくば駅前街宣である。この団体は、文字通りリバタリアン社会をめざす各地の学生によって最近結成されたグループであり、課税・政府といった自己所有権侵害の廃絶というリバタリアンの基本的な主張を踏まえつつ、その延長線上として大学問題に取り組んでいる。街宣の内容は主に大学問題と課税制度批判であったが、駅前ということもあって労働者層が多かったのか、課税批判のウケがよかったようだ。東京と比べてもビラの受取率がかなり良かったという。
2つ目は講演会である。18:00-20:30、つくば駅前でリバタリアン思想史の講演会が行われた。主催はリバタリアン協会で、登壇者はリバタリアン協会会長のリバタリアン思想史家の前川範行氏である。リバタリアン協会はリバタリアンについて考究する学術団体であり、機関紙『リバタリアン』を定期刊行している。講演会では、リバタリアン思想の起源と推移、主要な理論、ホットなトピックについて扱われた。また、それらのトピックについて、来場者から「アナキストとリバタリアンの使い分けとは?」「リバタリアン思想における民営化とはいかなるものか」などの質問が活発に飛び交い、意義ある講演会となった。講演会の「二次会」では、会場近くで主催者・参加者で夕食を摂りながら、講演会に引き続き有意義な対話が繰り広げられた。
ここで、15日の一連の活動を通しての私の所感を述べさせていただく。よく知られている(?)ように、筑波大学の学生は政治アレルギーが強い傾向にあり、政治の話になると逃げ腰に、人によっては攻撃的にすらなる。「筑波大学内での政治活動禁止」というしょうもないお題目を内面化しているせいだろうか。しかしながら、今回の活動を通じて、筑波大学の学生とつくば市民では、政治的な事柄に対する態度がかなり違うことを実感した。街宣でのビラのはけ具合や講演会での熱量は、つくば市民の政治、というよりは、更に広い意味での「思想」に対する関心の広さと深さを示しているように思われる。こうした知的関心は、成熟した市民社会の条件であるであるにも関わらず、現在、日本各地で失われている当のものである。税金の使い道という意味での「政治」「政策」に興味はあっても、それを裏付ける「思想」に注意を払う人は決して多くない。筑波大学の学生も、市民に感化されてこういった知的関心を取り戻してくれれば…と願うばかりである。
(水爬虫)
